ホンソメワケベラ. VS.ニセクロスジギンポ
前回は、ホンソメワケベラに超似てる詐欺師がいる話だったね。詐欺師の名前はニセクロスジギンポ。
他の魚が『あっ!ホンソメ君だ。』と寄って行き、
掃除してもらおうと油断したところを、鰓や皮膚を食いちぎる詐欺師。
そこで、
大型魚たちは見分けが付かないのか?
このままでは、
ホンソメワケベラの優位性が失われてしまうのでは?
とこんな感じまでの話だったね。
まず最初に、ホンソメ君の優位性だけど、
全く揺らがない。
前回も述べたけど、他の被掃除魚にとって、相当重要な役をホンソメワケベラは担っている。
実際、本当に魚たちはホンソメ君にクリーニングして欲しくて順番待ちをするし、
中には順番を守らずに、強引に割ってはいる魚もいるくらいだ。
クリーニング中の魚をみると、一種の恍惚とした表情と言うか、体色さえ変える物もいて、
そうとうに良い案配のよう。
いま、順番待ちと言ったけど、正にこれがちょうど理髪店に訪れるようで、
いつも決まった場所にホンソメ君は居るわけだね。
実はホンソメ君は雄上位のハーレムのような縄張りを作る。おそらくコレがニセクロスジギンポとは、
決定的に違うところ。
つまり、被掃除魚たちはその理髪店に訪れればいいわけだ。(散髪屋だか掃除屋だか)
ここをクリーニングステーションと呼び、実際多くの魚たちが集まってくる。
大型魚にとって、代え難いクリーニングをしてくれるホンソメ君。(実際は他にもエビを含めると40種位いる)
まさに、彼が営業する店に行きさえすれば、
ニセクロスジギンポである、詐欺師のカモになることもないのである。
最期にニセクロスジギンポの視点にもう一度帰ってみる。
別に彼は根っからの詐欺師なのではない。
容姿と泳ぎ方をマネることで、すでに多大なる恩恵を受けているのだ。補食されにくいと言う。
肉を食いちぎるという荒技は、おそらく二次的なものと考えられる。
彼らにすると、すり寄る魚に、
『コイツいつになったら離れるんだよ。確かに俺、似せてるよ。でもひつこいなぁ〜』
おそらく、全ての魚の遺伝子には、
『ヤツを食うな。体を綺麗にしてもらうのだ』
と言う指令が組み込まれている。
だから離れない。
だから食いちぎるしかないのかも。。
最期に、
クリーニングするニセクロスジギンポはいないのか?
どう思う、
どう思う?
わたしは居ると思います。
もし、いま居ないとしたら。いづれ進化し現れると思うよ。
《追伸》
次回はコロダイの養魚のダンスについて
《さらに追伸》
初島では恒例の“丼合戦”はじまりました。
《わの海より》
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