ロクハン着る理由


講習生さんに、
『輪島さんの真っ黒のスーツもdryスーツですか?』とか

『そのスーツは寒くないんですか?』などと良く聞かれます。

もちろんdryスーツでなく、れっきとしたウエットスーツです。そして寒くありません。まったく。

先日も水温14度のポイントでゲストさんに聞かれました、、

『ところでロクハンは寒くないの?』って。

そうですよねぇ〜、聞きたくなるのわかりますわかります。この時期だと気温が上がってくるからと、dryのインナーも薄いの着たりするとヒンヤリしてね。おまけに陸に上がってからdryを脱いだ時、風なんか吹いてるとこれまた肌寒かったりして、しっかり上着着てくださいな。

そもそもロクハンってのは元々は6.5mm厚のスキン生地のスーツのことを呼びます。
6.5mmならワンピースでも、片面ジャージでも両面ジャージでもロクハンになるのか? いやそうじゃないでしょ! ロクハンってのは両面スキン生地のツーピース、いわゆるフード付きのカブリタイプになると思う。

ず〜とこのスーツ着だしてから、ずーーとコレ。それはコレ以外あり得ないから着るわけです。

勘違いしないでね、決してあなたにロクハン薦めてるんじゃないから。それどころかデメリットも結構あると思う。
まず破いたり、ひッかいたりしやすいよね。だから脱ぎ着にコツが要るし、水中でも不用意に膝着いたり肘着いたり出来ない。色だって黒しかないもんね。良く言われます、『わじまさん黒くて水中でわからないって』。すいません。

一口にロクハンと言っても、あなたから見ればみんな黒だから、みんな同じに思うでしょ。でもね作り手によってぜんぜん違うんですよ。これはもう身を持って体験していますから。

まず生地にも固め柔らかめとあります。わたしはあまり柔らかいのは好きではありません。最初はいいのですが、水圧で「へたる」のが早いんですよ。裏地にもスキン、SCSメタルスキン、タックレス、スライスといろいろあります。また、一見同じ形でもフードの開口部が広すぎると寒かったり、キツいと顎が疲れたりします。フードが繋がっているわけで、首の部分が短いと肩が凝ります。

とまぁ上げ出だしたら切りがない。本当にきりがない。これほど騙しのきかないスーツはないと思います。だって他のスーツはミシン縫いしてありますでしょ。ロクハンはボンドで貼り合わせてあるだけですから。だから貼りが弱いと合わせ面が剥がれてきます。そう言うのあるんですよね(しっかりした所のはそんなことありません)。

ゴムのりの硬化時間も季節や湿度によって違うし、着るのは大体プロだから、あ〜してくれ、こ〜してくれウルサいだろうし、スーツ職人さん大変だと思います。

今着ている自分のロクハンも、いきなり直ぐにたどり着いたわけではありません。最初は擦れやすい部分を片面ジャージにしたタイプでした。でもこれだとジャージの部分だけが寒いんですよね。水中は良いのですが、上がってからジャージの部分だけ乾かないから気化熱奪われてね。

その後は作るたびにシンプルになっていく感じです。無駄な物がそぎ落とされるがごとくですね。

ここまで構造、形の話ばかりしてしまって、ベネフィットを伝えていませんでしたね。つまりロクハンによる恩恵です。

それは、、

1、圧倒的保温力
2、あっと言う間に乾く
3、動きやすい
4、一日中着ていて平気
5、着脱が楽
6、すぐ補修できる

・[圧倒的保温力]
これはあんまり声を大にして言うと良くないかもしれません。だから小さな声で言っちゃおう、『場合によっちゃドライより暖かい?』なんてね。 秘密は2つ。水を含まないスキン生地だから気化熱を奪われない事と、これ又スキン生地同士のフィットにより水の出入りが極めて少ないから(ファスナーも無いし)。

・[あっと言う間に乾く]
楽です。片づけ。清潔です。陸でポカポカ。

・[動きやすい]
本当です。とても楽に動けます。

・[一日中着ていられる]
他のウエットスーツだと、まず皮膚が持たないのじゃないかな? スーツ擦れとかもあるしね。でもロクハンなら平気ですね。

・[着脱しやすい]
なんか矛盾しているように感じますか? いいえ。コツさえ掴めばこれほど素早く簡単に着脱出来るスーツはありません。

やっぱ仕事には必要不可欠な相棒ですね〜♪

次の人はロクハンはやめた方がいいと思う。

○道具を乱暴に扱う性格の人
○中性浮力ダメダメな人
○少しぐらい寒くてもいい人
○まっ黒はイヤな人

追伸
4月に入ってシバちゃんに『採寸して』と言ったら、

『また自分のですか!』と言われてしまった。

『ハイ、さいでござんす。』

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