ネットの中古購入はお得?


『器材見てもらっていいですか?』
お電話で“器材無料点検”のご依頼がありました。
お持ちいただいた器材は、ネットで購入したのだそうです。

『呼吸しにくくて、一度調整してもらったんですが、、、それ以来潜ってなくて、
今度海に行くのでその前に見てもらおうと思って』

とこんな感じでの無料点検でした。
まずは“無料点検”の内容を説明し、オーダーシート記入いただいて点検をスタートします。

要望を聞くと、やっぱりBCについてるバックアップ(Air2)がやたらに吸いにくいのだそうです。
器材パッとみた感じが、いかにもネットの中古らしいというか、、、
レギュレーターの1stがどこどこ、残圧計がどこ、BCがあそこのメーカーと行った感じです。
でもこれ自体は個人的には悪いことだと思いません。
まぁ、メーカーはもちろん推奨しませんが、
ちゃんとセットアップすれば、全く問題なく使用できるからです。

「ちゃんと」と言ったのは、
要は寄せ集めを、なんのセッティングもされてないものを買ってはいけないよ。
(買った人はわからないよね)
中古だとしても、オーバーホールをしっかりして、ちゃんとセッティングした物だけを売りなさい!
と言うことだ。

このご依頼の方には、
『まずは1stから送り出される圧力を測定しますね。通常0.85~1.1くらいです。
この範囲以内なら呼吸しにくい2ndの調整が必要ですね』

と伝えてチェック。
すると、

正直驚きました。

中圧がなんと

“0.4Mpa”

一瞬ゲージが壊れてるのかと思って、
『ん?ちょっとまってね。あまりにも低いのでゲージの不良かもしれないから、
別のレギを測定して確認します。』
ととても優しく、誠実な店員さん。(オレだ)

すると、
こちらはやっぱり“1.0”。
と言うことは、つまりおかしいのはレギュレター。
ありえないでしょー、“0.4”なんて!
コレじゃぁー1stから送り出される圧力が低すぎて、そりゃ苦しいだろうね。

『潜ったとき苦しいとか無かったですか?』
と聞いても、本人はあまりわからなかったようです。

こんな物をネットで販売していいいのかよ!
人命に関わる道具だよ。
ダイビングなめてる。
いや、まっとうな商いをなめてる。
実にけしからん。

と思いましたが、この方にそんなことを言っても仕方がないし、かわいそうだ。

だから、
『購入したサイトは実店舗ありましたか?』
と聞いてみたんですが、定かではないようです。

仕方がないので、この状態のままではレギュレーターは使わない方がいいこと、
オーバーホールをすればちゃんと使えること、
このメーカーの製品が悪いのでは決してないこと、
これらを説明させてもらった。

私どもは中古販売、ネット販売はやっていないけど、それらが悪いわけでは決してない。
もっとも一番いいのは対面で説明を受けて、そしてお持ち帰りいただくのがベストなのは決まってる。
でも、これだけ進んだ世の中ですから、
ネットですばらしいサービスと商品買えないことの方がおかしいのかもしれない。

もし仮に、わたしがネットでレギュレーターセットの中古を販売するとしたら、
きっとこんな感じにすると思う
↓↓
第一にすべてをオーバーホールし、マウスピースと中圧ホース、及び高圧ホースは新品に交換する。
次に1stの圧力値と2ndの吸抵抗値の測定データーを、購入する人がわかるようにする。
(画像や動画で可能)
さらに、お店が責任を持って一定期間の保証規定を設ける。
最後に、引き取りは出来る限りご来店いただくが、
無理な場合は、タンクセットから給排気を動画撮影し
ネットで確認できるようにして発送する。

どうだろう?これならそれなりの金額はするんじゃないかな?

ダイビング器材は呼吸の出来ない水中で使用する道具です。ご注意下さい。
腹が立ってきた。

追伸》
ちなみに、器材を調整したり組み立てたりした場合、
いわゆるPL法のもと、責任がその業者に発生します。
上記の様な販売者ってそんな認識もないだろうね。

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